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2007年8月15日 (水曜日)

『明智左馬助の恋』 加藤 廣著

戦国時代で最大のミステリーである本能寺の変を扱った作品です。

著者の加藤廣氏は、デビュー作『信長の棺』、『秀吉の枷(上下巻)』に次ぐ3作品目が本作品となります。
70歳を過ぎての文壇デビューとなったのですが優れた作家さんであることはデビュー作を読めば分りますよ。

そのデビュー作『信長の棺』は作品自体の人気もあってTVの特別ドラマにもなりました。

明智左馬助の恋 Book 明智左馬助の恋

著者:加藤 廣
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そもそも本能寺の変についての謎とされている点の主なものは・・

●本能寺で自害したといわれている信長の亡骸がどうも見つからなかったらしいという点。
●知将で知られる明智光秀が事後のことを顧みずに謀反の強行に及んだことという点。

信長の亡骸が見つからなかったという話は、『信長の棺』を読むまでは私は知りませんでした。様々なドラマでの本能寺の変での信長の最後のシーンは、燃え盛る炎の中、舞を踊るシーンや自ら自害して果てるシーンばかりでこれら以外の信長最後の場面を見たことがないくらい定説となっています。

しかし、この本能寺3部作でとりあげる最大の謎はこの信長の亡骸がどこへ消えたのか?という点です。
明智軍が焼失した本能寺跡をくまなく探したにもかかわらず信長とその側近たちの亡骸だけが発見されなかったらしい・・・。
歴史の定説を覆す新解釈がここから始まります。
謎解きのヒントは引田天行が先日イリュージョンの最中に脱出に失敗して大怪我をした事件です(?)ネタバレになるのでこの先はご勘弁!

そして『信長の棺』『秀吉の枷』ともに、この消えた信長の亡骸についての謎解きがメインとなっています。

次に光秀が主君である信長を裏切り謀反者として歴史上扱われている点については、かなりの異説があって、これだけで歴史ミステリー2時間特番が作れるほどです。

謀反のきっかけも信長の光秀に対する冷酷非道な仕打ちの恩讐というのが一般的な理由とされていますが最近はこのような光秀個人の感情的なものが理由ではないという説もあり、さらに光秀が生き延びて逃亡したという説もあってロマンを求める傾向にある歴史ファンにとって支持を集める説にもなりつつあります。
これは兄・頼朝に命を狙われる弟・義経が大陸に渡ってチンギス・ハーンになったという伝説も同じようなものです。

この本能寺3部作の完結編『明智左馬助の恋』では、信長の亡骸探しがメインではなく直接の当事者である明智光秀の謀反の真実の謎に迫るストーリーとなっています。
しかも主人公には光秀自身ではなく娘婿の明智左馬助。
これは本能寺3部作に共通していえることなのですが3作ともに作品の主役が信長・秀吉・光秀本人ではなくその傍に仕える人間となっています。
これは作品を通じて全くの空想の産物としての読み物に終わることなく、様々な資料に裏付けされた客観的事実として、そして更にあえて当事者を客観的に見ることができる別の主人公に置き換え読み手に印象付けるために仕組まれた二重の仕掛けではないでしょうか?
このことが作品世界を実際はこうだったのだ!という歴史ドキュメントの要素を読み手に与える効果を発生させているとも思えます。

戦国武将を主人公にした小説はそれこそたくさんありますが、先の述べたように、この本能寺の変3部作では信長、秀吉、光秀のそれぞれの視点からこの謎解きが展開されていています。
これは、完結編である本作品『明智左馬助の恋』のあとがきにて著者が語るように「一つの謎は三つの方面から追うのが良い」という発想からのもので、このシリーズ構成が全3部作(3方面)を読むことによって本能寺の変における消えた信長の亡骸の謎に対する一つの解釈(謎の答え)として真実味を帯びて読むものに迫ってきます。

私はこの3部作すべてを読んでみることをお勧めしますが、それぞれ単独で読んでも実は上記のような構成の妙で本能寺の変の謎に対する著者の答えを知ることはできます。
作品として単独でもきちんと成立していますのでどこから読むかは制約されません。

しかし前述の通り3部作を通して3方面からこの謎に光をあてることによってはっきりした形として作者の意図した本能寺の変の謎の答えが浮かび上がってくる仕掛けなんです。

デビュー三作品目の新人作家ではありますが人生経験豊富な博学な方と作品を読んでいて実感しました。
今のところ本能寺の変に関する3作品のみの発表なのですが今後、どの方面に向かうのか気になる作家さんです。

歴史が好きな人なら絶対はまること請け合いの一冊です。


当ブログでの紹介記事
(2006/6/19の記事)『信長の棺』

 

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著者:加藤 廣
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(2006/10/17の記事)『秀吉の枷』

 

秀吉の枷 (上) Book 秀吉の枷 (上)

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